「美容室を開業するけれど、セット椅子はどれを選べばいいの?」「椅子の価格相場がわからず、予算の見当がつかない…」と悩んでいませんか。
美容室の椅子は、お客様の満足度と美容師の作業効率の両方に直結する最重要アイテムです。
座り心地が悪ければリピーターにつながらず、操作性が低ければ施術のクオリティにも影響します。
この記事では、美容室で使う椅子の種類から選び方のポイント、費用相場、主要メーカー、不要になった椅子の処分方法まで、開業前に知っておきたい情報を網羅的に解説します。
目次
美容室で使う椅子は主に4種類

美容室にはセット椅子だけでなく、用途の異なる複数の椅子が必要です。
ここでは美容室で使用する代表的な4種類の椅子について、それぞれの役割と価格帯を整理します。
美容室で使用する椅子にはそれぞれ明確な役割があり、選び方を間違えるとお客様の居心地や美容師の作業効率に悪影響を及ぼします。
まずは各椅子の特徴を把握しましょう。
- セット椅子(スタイリングチェア)
- シャンプー椅子
- 待合椅子
- スタイリストチェア(カットチェア)
セット椅子(スタイリングチェア)
セット椅子は、カット・カラー・パーマなどの施術時にお客様が座る美容室の中心的な椅子です。
「スタイリングチェア」とも呼ばれ、回転機能や高さ調節機能を備えています。
お客様が長時間座る椅子であるため、座り心地はもちろん、デザイン性も店舗の印象を大きく左右します。
新品のセット椅子は1台あたり5万〜40万円と幅が広く、メーカーやグレードによって大きく異なります。
美容室の内装費用の中でも大きな割合を占める設備のひとつです。
シャンプー椅子
シャンプー台と一体になった椅子で、バックシャンプーやサイドシャンプーなどの方式があります。
リクライニング機能やレッグレストを備えたモデルが主流で、お客様が楽な姿勢でシャンプーを受けられるよう設計されています。
シャンプー台を含めた価格は30万〜100万円程度が相場です。
給排水工事が必要になるため、設置場所は物件選びの段階から検討しておく必要があります。
待合椅子
お客様が施術前後に過ごす待合スペースに設置する椅子です。
ソファタイプ・ベンチタイプ・一人掛けチェアなど、店舗のスペースやコンセプトに応じてさまざまな形状から選べます。
待合椅子はサロン全体の第一印象を左右するアイテムです。
おしゃれなデザインの椅子やアンティーク調の椅子を取り入れることで、来店時の期待感を高められます。
スタイリストチェア(カットチェア)
美容師自身がカット中に座るキャスター付きの椅子で、「カットチェア」「エステスツール」とも呼ばれます。
背もたれの有無や高さ調節機能の違いでいくつかのタイプに分かれ、価格帯は5,000〜10,000円程度が一般的です。
コンパクトで小回りが利く設計になっており、施術中のちょっとした移動にもスムーズに対応できるのが特徴です。
美容師の身体的負担を軽減するためにも、座面の高さ調節がしやすいモデルを選びましょう。
セット椅子の操作方式は大きく3タイプ

セット椅子を選ぶ際に最初に決めるべきなのが操作方式です。
電動式・足踏み式・通常タイプの3つがあり、導入コストや使い勝手が大きく異なります。
それぞれの特徴を把握し、予算やサロンの運営スタイルに合った方式を選びましょう。
電動式セット椅子の特徴
ボタン操作で昇降やリクライニングの調整ができるタイプです。
動作がスムーズで振動が少なく、お客様の快適性を損なわずに高さを変えられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | ボタン操作で楽に昇降できる 動作がスムーズで振動が少ない サービスコンセント付きモデルもある |
| デメリット | 電源工事が必要(充電式を除く) 本体価格が高い |
| 価格帯の目安 | 15万〜40万円前後 |
床上に配線すると配線モールの突起でワゴンの動きに制約が生じるため、床面コンセントの設置を検討するのが得策です。
充電式のモデルであれば電源工事が不要ですが、充電忘れには注意しましょう。
足踏み式セット椅子の特徴
美容師がレバーやペダルを踏んで高さを調節する方式で、最も普及しているタイプです。
電源が不要でどこにでも設置でき、製品ラインナップも豊富です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 電源不要でどこでも設置可能 種類が豊富で内装に合わせやすい 価格が比較的安い |
| デメリット | 美容師の足に負担がかかりやすい 昇降時にやや振動がある |
| 価格帯の目安 | 5万〜20万円前後 |
チェアベースも丸形・5本足・フロート式などから選べるため、おしゃれな美容室の内装イメージに合わせやすいのが魅力です。
通常タイプの椅子を使う場合
セット椅子としての機能を備えていない、一般的なチェアを使用するケースもあります。
コストを大幅に抑えられ、内装デザインに合わせた自由な椅子選びができる点がメリットです。
ただし、高さ調節ができないためお客様の体型に合わせた施術が難しいという大きなデメリットがあります。
失敗しない美容室の椅子選び5つのポイント

「見た目が気に入ったから」と直感だけで椅子を選ぶと、開業後に後悔するケースが少なくありません。
座り心地からメンテナンス性まで、購入前にチェックすべき5つの観点を解説します。
- 座り心地とクッションの品質で選ぶ
- 美容師の作業効率を左右する機能性
- デザインと内装コンセプトの統一
- 耐久性とメンテナンスのしやすさ
- 安全性と品質基準の確認
座り心地とクッションの品質で選ぶ
美容室の椅子は、お客様が座った瞬間の印象でそのサロンの評価が決まるとも言われています。
カラーやパーマの施術では1〜2時間座り続けることもあるため、クッションの品質は最優先で確認すべきポイントです。
- 高密度ウレタンや低反発素材を使用しているか
- 背もたれの角度がお客様の身体を自然にサポートするか
- 座面の幅と奥行きに十分なゆとりがあるか
- レッグレスト付きで足元まで楽な姿勢を保てるか
美容師の作業効率を左右する機能性
お客様にとって快適な椅子であっても、美容師の動きに支障が出る構造では施術のクオリティが下がってしまいます。
確認すべき機能面のポイントは以下のとおりです。
- 回転機能:360度スムーズに回転し、必要な位置でロックできるか
- 高さ調節の範囲:昇降幅が大きいほど多様な体格のお客様に対応可能
- 椅子の横幅:コンパクトなほど施術時の腕の可動域が広がる
- 清掃のしやすさ:座面とクッションが取り外せると髪の毛の清掃が楽
デザインと内装コンセプトの統一
セット椅子は美容室の中で最も存在感のあるアイテムです。
椅子のデザイン次第で店舗全体の雰囲気が決まるといっても過言ではありません。
色調・素材感・形状が内装コンセプトと合っているかを確認しましょう。
例えば、ナチュラル系の内装にはウッド素材の肘掛けが付いたモデル、モダンな空間にはシンプルなステンレスベースのモデルが好相性です。
アンティーク調のセット椅子は、クラシックな雰囲気を演出したい美容室に根強い人気があります。
耐久性とメンテナンスのしやすさ
美容室のセット椅子は毎日何度も使われるため、耐久性の高さが経営面でも大きなメリットになります。
合成皮革のレザーは経年劣化でひび割れや変色が起きやすいため、張り替えが可能かどうかも購入時に確認しておきたいポイントです。
油圧シリンダーやベアリングなどの消耗部品も、メーカーが交換用パーツを提供しているかを事前にチェックしましょう。
修理対応が迅速なメーカーを選んでおくと、万が一の故障時にも営業への影響を最小限に抑えられます。
安全性と品質基準の確認
セット椅子にはさまざまな体格のお客様が座り、昇降や回転の操作も頻繁に行われます。
固定すべき場面で確実にロックできるか、フレームや油圧部分の耐荷重に問題がないかは、安全面で必ず確認すべき項目です。
国内の大手メーカーの製品は厳格な検査体制を経て出荷されていますが、海外製の安価な椅子は品質にばらつきがある場合もあるため注意しましょう。
長く安心して使える椅子を選ぶことが、結果的にコスト削減にもつながります。
美容室の椅子の費用相場

椅子の費用は開業資金の中でも大きな割合を占めます。
新品と中古の価格差や、コストを抑えるための具体的な方法を押さえておきましょう。
セット椅子の価格は新品で5万〜40万円、中古なら3万〜10万円程度と幅広い価格帯です。
開業時の椅子にかかる費用は席数×単価で計算し、全体の内装予算とのバランスを考慮しましょう。
新品セット椅子の価格帯
新品セット椅子の価格は、メーカーやグレードによって大きく異なります。
主要メーカーの新品価格帯を見てみましょう。
| 価格帯 | 特徴・該当するモデルの目安 |
|---|---|
| 5万〜10万円 | シンプルな足踏み式。 1人美容室の開業やコスト重視の方向け |
| 10万〜20万円 | デザイン性と機能性のバランスが良い中価格帯。 最も選択肢が豊富 |
| 20万〜40万円 | 電動式やフラッグシップモデル。 上質な座り心地と高いデザイン性 |
例えば3席のサロンで1台15万円のセット椅子を選ぶと、椅子だけで45万円の出費になります。
美容室の内装費用は坪単価40万〜70万円が相場のため、椅子の費用は全体の内装予算の中でバランスよく配分することが大切です。
中古・リユース品の価格帯
開業コストを抑えたい場合、中古のセット椅子も有力な選択肢です。
タカラベルモント製の人気モデルでも、中古であれば3万〜10万円程度で購入できるケースがあります。
中古品を購入する際は、レザーの劣化状態・油圧シリンダーの動作・ベースのぐらつきを必ず確認してください。
初期費用を抑える3つのコツ
- 中古・展示品を活用する:大手メーカーの公式リユースショップなら品質保証付きで安心
- メーカーのキャンペーンを利用する:ビューティガレージなど通販サイトでは定期的にセールを開催
- 居抜き物件で既存の椅子を引き継ぐ:居抜き物件であればセット椅子がそのまま使える場合もある
セット椅子の主要メーカーと購入先

セット椅子をどこで買うかによって、価格帯もアフターサポートの充実度も変わります。
ここでは代表的なメーカーと購入ルートを紹介します。
美容室のセット椅子は、メーカー直販・専門通販サイト・中古専門店の3つのルートから購入できます。
信頼性とアフターサポートを重視するなら大手メーカーがおすすめです。
タカラベルモント

大阪に本社を置く理美容機器の世界的メーカーで、理容椅子・美容椅子では世界トップシェアを誇ります。
「Vintage Chair(ヴィンテージチェア)」「CADILLA(キャデラ)」「r.a.f(ラフ)」など、サロンのコンセプトに合わせた幅広いラインナップが特徴です。
価格帯はやや高めですが、耐久性と座り心地の品質は業界随一。
公式オンラインショップ「タカラマルシェ」では展示品やリユース品も取り扱っています。
ビューティガレージ

サロン向け美容機器・備品の総合通販サイトで、オリジナルブランドのセット椅子を手頃な価格で展開しています。
5万円台からデザイン性の高いモデルが揃い、カラーやベースタイプのカスタマイズが可能な製品も多い点が魅力です。
中古品の買取・販売を行う「BGリユース」も運営しており、新品と中古の両方を比較検討しやすい環境が整っています。
その他の購入先
上記の大手メーカー以外にも、以下のようなルートからセット椅子を購入できます。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| セブンビューティー | 理美容の総合通販。 スタイリングチェアの品揃えが豊富で、レンタルにも対応 |
| サロンマーケット | オリジナルブランドの椅子を5万円台から展開。 コストパフォーマンスが高い |
| 大廣製作所 | 国内メーカー。 おしゃれなデザインと品質の高さに定評がある |
| 中古専門店(リビキキネット等) | メーカー品の中古を整備済みで販売。 新品の半額以下で購入できるケースも |
不要になった美容室の椅子を処分する方法

リニューアルや閉店で椅子が不要になった場合、適切な処分方法を知っておかないと余計なコストが発生します。
買取と廃棄、それぞれの進め方を確認しましょう。
美容室の椅子は産業廃棄物に分類されるため、家庭ゴミとして処分できません。
買取に出すか、産業廃棄物処理業者に依頼する必要があります。
買取業者に依頼する
タカラベルモントやビューティガレージなど大手メーカー製の椅子は中古市場で需要が高いため、買取業者に引き取ってもらえる可能性があります。
状態の良い椅子であれば、処分費用をかけずに済むどころか買取金額を得られることもあるため、まずは査定を依頼するのがおすすめです。
産業廃棄物として処分する
買取対象にならない椅子は、産業廃棄物処理業者に依頼して処分します。
セット椅子の処分費用は1台あたり5,000〜20,000円程度が目安ですが、サイズや搬出条件によって異なります。
内装リニューアルの工事と合わせて処分を依頼すれば、搬出費用を抑えられるケースもあります。
店舗の内装工事費用の相場と合わせて全体の予算を把握しておくと安心です。
美容室の椅子に関するよくある質問

美容室の椅子について、よくある疑問をまとめました。
Q
美容室の椅子はなんと呼ばれていますか?
A
施術用の椅子は「セット椅子」または「スタイリングチェア」と呼ばれるのが一般的です。
メーカーのカタログでは「スタイリングチェア」の呼称が多く使われています。
美容師が座る椅子は「カットチェア」「エステスツール」と呼ばれます。
Q
セット椅子の寿命はどれくらいですか?
A
一般的なセット椅子の耐用年数は7〜10年程度です。
ただし、レザーの張り替えや油圧シリンダーの交換などのメンテナンスを行えば、15年以上使い続けているサロンもあります。
日頃のクリーニングや定期的な点検が寿命を延ばすカギです。
Q
セット椅子は中古でも問題ありませんか?
A
信頼できる中古販売店で整備済みの製品を選べば問題ありません。
特にタカラベルモント製などの大手メーカー品は耐久性が高く、中古でも長期間使用できます。
購入時にはレザーの状態、油圧の動作確認、ベースのぐらつきをチェックしましょう。
Q
セット椅子の耐荷重はどれくらいですか?
A
国内大手メーカーのセット椅子は、一般的に100〜120kg程度の耐荷重を想定して設計されています。
海外製の安価なモデルでは耐荷重が明記されていない場合もあるため、必ずスペックを確認してから購入しましょう。
Q
1人美容室の場合セット椅子は何台必要ですか?
A
1人で運営する美容室でも、セット椅子は2台設置するのが一般的です。
カラーの放置時間中に別のお客様を施術できるため、回転率の向上につながります。
店舗のスペースに余裕がない場合は1台でも運営可能ですが、完全予約制にするなどの工夫が必要です。
10坪の美容室の間取りを参考に、席数とスペースのバランスを検討してみてください。
まとめ
美容室の椅子選びは、お客様の満足度・美容師の作業効率・店舗の空間づくりのすべてに関わる重要な判断です。
最後に、本記事のポイントを振り返りましょう。
- 美容室の椅子はセット椅子・シャンプー椅子・待合椅子・スタイリストチェアの4種類があり、それぞれ役割が異なる
- セット椅子の操作方式は電動式・足踏み式・通常タイプの3つ。予算と運営スタイルで選ぶ
- 選び方のポイントは座り心地・機能性・デザイン・耐久性・安全性の5つ
- 新品の価格帯は5万〜40万円、中古なら3万〜10万円が目安
- タカラベルモントやビューティガレージなど、信頼できるメーカー・販売店から購入する
- 不要な椅子は買取依頼を優先し、対象外なら産業廃棄物として処分する
椅子は一度購入すると長期間使い続ける設備です。
価格だけで判断せず、サロンのコンセプトやお客様層に合った椅子を慎重に選びましょう。
内装全体の設計と合わせて椅子選びを進めたい方は、複数の内装業者から見積もりを取って比較検討するのがおすすめです。