「美容室を開業したいけど、内装費用がどれくらいかかるのかわからない…」「坪単価という言葉は聞くが、具体的にいくらなのか知りたい」

結論からいえば、美容室の内装坪単価はスケルトン物件で40〜70万円居抜き物件で30〜40万円が全国的な目安です。

ただし、物件の状態や規模、デザインのこだわりによって幅があります。

本記事では坪数別の内装費用シミュレーション(10坪・15坪・20坪)、坪単価が高くなる3つの理由、内装コストを抑える5つのコツ、信頼できる業者の選び方まで網羅的に解説します。

開業・改装を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

美容室の内装坪単価の相場

美容室の内装坪単価の相場

美容室の内装費用を正確に把握するには、まず「坪単価」の考え方を理解することが重要です。

坪単価とは1坪(約3.3㎡)あたりの工事費用のことで、物件の坪数に坪単価を掛け合わせるだけで内装費の概算が算出できます。

物件の状態によって相場が大きく変わるため、スケルトン・居抜き・改装の3パターンの目安をあらかじめ確認しておきましょう。

結論
  • スケルトン物件の坪単価:40〜70万円
  • 居抜き物件の坪単価:30〜40万円
  • 改装(リフォーム)の坪単価:15〜30万円

スケルトン物件の坪単価は40〜70万円

スケルトン物件とは、内装や設備が一切ない躯体だけの状態の物件です。

一から自由に設計できる点が最大のメリットですが、給排水・電気・空調をすべて新設するため坪単価は40〜70万円程度と高めになります。

こだわりのデザインや設備グレードが高い場合は70万円を超えることもあります。

近年の資材価格高騰を背景に上振れしやすい傾向にあるため、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。

居抜き物件の坪単価は30〜40万円

居抜き物件とは、前テナントが使用していた内装や設備が残された状態の物件です。

既存の給排水・電気設備を活用できる分、スケルトンに比べて坪単価を30〜40万円程度に抑えられることが多いです。

ただし、前テナントのコンセプトが自分の理想と合わない場合は全面解体が必要になり、スケルトンと変わらない費用になるケースもあります。

居抜き物件の特徴をしっかり理解したうえで物件選びを進めましょう。

改装(リフォーム)の坪単価は15〜30万円

すでに美容室として営業している物件を改装する場合の坪単価は15〜30万円が目安です。

ただし、シャンプー台の位置変更など水回りの大規模工事が発生すると、スケルトン物件並みの費用に跳ね上がることがあります。

改装では既存配管の位置を活かすレイアウト設計が費用圧縮の鍵です。

壁紙・床の張り替えのみであれば、さらに低コストで仕上げることが可能です。

物件種別坪単価の目安特徴
スケルトン40〜70万円自由にレイアウト設計できる。
初期費用は高め。
居抜き30〜40万円既存設備を活用でき費用を抑えやすい。
コンセプトが合わない場合は追加工事が必要。
改装15〜30万円水回り移動がなければ低コスト。
大規模工事はスケルトン並みになることも。

坪数別の内装費用シミュレーション

坪数別の内装費用シミュレーション

坪単価の相場がわかったら、次は実際の店舗規模に当てはめて総費用を試算しましょう。

美容室の開業でよく選ばれる10坪・15坪・20坪の3パターンについて、スケルトン・居抜き別の内装工事費目安を確認します。

計画している物件の坪数と照らし合わせながらご覧ください。

10坪の美容室の場合

10坪(約33㎡)は1〜2名体制の小規模サロンに多い広さです。

スケルトン物件なら400〜700万円程度居抜き物件なら300〜400万円程度が内装工事費の目安になります。

小規模な物件ほど坪単価が割高になる傾向があるため、10坪以下の場合は特に早めの見積もり取得をおすすめします。

シャンプー台の給排水引き込み位置は物件選びの段階で必ずチェックしましょう。

15坪の美容室の場合

15坪(約50㎡)は個人サロンから2〜3名体制のサロンに向いた、標準的な広さです。

スケルトン物件なら600〜1,050万円程度、居抜き物件なら450〜600万円程度が目安です。

セット面2〜3面、シャンプー台1〜2台を想定したレイアウトが設計しやすく、動線設計の自由度が高まります。

シャンプーエリアとカットエリアを明確に分けることで、施術効率と顧客体験の両方が向上します。

20坪の美容室の場合

20坪(約66㎡)は3〜5名体制の中規模サロンに向いた広さです。

スケルトン物件なら800〜1,400万円程度、居抜き物件なら600〜800万円程度が目安になります。

広さが確保できる分、待合スペースや個室ブースを設けやすく、高単価サービスとの相性が良くなります。

規模が大きくなるほど設備費も増えるため、内装費と設備費を合わせた総費用で資金計画を立てることが重要です。

坪数スケルトン(内装工事費)居抜き(内装工事費)
10坪400〜700万円300〜400万円
15坪600〜1,050万円450〜600万円
20坪800〜1,400万円600〜800万円

美容室の坪単価が高くなる3つの理由

美容室の坪単価が高くなる3つの理由

美容室の坪単価がカフェや物販店と比べて高くなる背景には、業種特有の設備要件があります。

「なぜこんなに費用がかかるのか」を理解しておくと、業者との費用交渉や物件選びの精度が高まります。

3つの主要因を順に解説します。

給排水工事(シャンプー台)のコストが大きい

美容室特有のコスト増加要因として最も影響が大きいのが、シャンプー台の設置に伴う給排水工事です。

温水を提供するための給湯設備、排水管の引き込みと勾配確保など、水回りの工事は他業種と比べて規模が大きくなります。

スケルトン物件では配管工事がゼロから必要になるため費用は高くなりますが、居抜き物件で既存の給排水管をそのまま活かせる場合は大幅なコスト削減につながります。

シャンプー台の台数・位置は物件選びと同時に設計段階で決めることが重要です。

大容量の電気設備工事が必要になる

ドライヤー・パーマ機器・スチーマーなど、美容室では大量の電化製品を同時に使用します。

一般的なオフィスや物販店とは異なり、大容量の電気設備(分電盤の増設・幹線工事)が必要になるケースが多く、これがコストを押し上げます。

物件を決める前に不動産会社や電気工事業者に現状の電気容量(アンペア数)を確認しましょう。

容量が不足している場合は幹線工事が別途発生し、数十万円の追加費用になることもあります。

保健所の衛生基準への対応が必要

美容室を開業するには保健所の美容所確認申請を通過する必要があります。

待合室とシャンプーエリアの区分、消毒設備の設置、換気設備の基準など、内装設計において法的な制約を満たさなければなりません。

これらの要件を熟知していない業者に依頼すると、施工後に追加工事が発生するリスクがあります。

美容室の施工実績が豊富な業者に依頼することが、費用と品質の両立につながります。

内装費用の主な内訳を把握する

内装費用の主な内訳を把握する

内装工事費の見積もりを正確に読み解くには、費用の内訳を理解しておくことが欠かせません。

「内装費に設備費は含まれるの?」という疑問を持つ方も多いですが、業者によって含まれる項目が異なるのが実情です。

工事費・設備費・設計費それぞれの目安を把握して、資金計画のズレを防ぎましょう。

内装工事費(壁・床・天井の仕上げ)

内装工事費の大部分を占めるのが壁・床・天井の仕上げ工事と、給排水・電気・空調の設備工事です。

設備工事はトータルの約半額を占めることも多く、水回りの位置設計が費用を大きく左右します。

床材には耐薬品性・防滑性・清掃のしやすさが求められます。

こちらの美容室の内装デザイン記事でも解説していますが、フロアタイルやビニル床材は機能性とデザイン性を両立しやすく、美容室で多く採用される素材です。

設備費(シャンプー台・カットチェアなど)

内装費とは別に、美容室特有の機器費用が発生します。

主要設備の費用目安は以下のとおりです。

設備項目費用目安(1台・1式)
シャンプー台30〜80万円/台
カットチェア7〜15万円/台
鏡・ドレッサー5〜10万円/式
スチーマー・パーマ機器5〜20万円/台

このように、シャンプー台2台・カットチェア4台を揃えるだけで設備費だけで100万円以上になることもあります。

内装工事費と設備費を別々に試算し、資金計画に反映させることが開業を成功させる第一歩です。

設計費・諸経費

内装業者への発注には設計デザイン料・確認申請費・諸経費が発生します。

スケルトン物件では図面設計費が別途かかりますが、居抜き物件では省略できるケースもあります。

総予算の7〜8割を内装工事費に充て残りを設備費・運転資金に確保するのが資金計画の目安とされています。

開業後の運転資金を手薄にしないよう、内装費と全体のバランス感覚を持つことが重要です。

内装費用を抑える5つのコツ

内装費用を抑える5つのコツ

適切な戦略を取れば、理想のサロンを実現しながら内装費を抑えることは十分可能です。

開業・改装のどちらにも有効な5つのコツを優先度の高い順に解説します。

特に①〜②の実践がコスト削減のインパクトとして最も大きいため、物件選びの段階から意識しておきましょう。

内装費用を抑える5つのコツ
  1. 居抜き物件を優先的に検討する
  2. 複数業者から見積もりを取る
  3. 造作家具を既製品で代替する
  4. 投資箇所に優先順位をつける
  5. デザインと施工を一括発注する

居抜き物件を優先的に検討する

最も効果的なコスト削減策は、前テナントが美容室だった居抜き物件の活用です。

給排水・電気容量・換気設備がすでに美容室仕様であれば、工事範囲を大幅に絞れます。

居抜きとスケルトンの違いを理解したうえで、物件探しの段階から内装業者にも相談することをおすすめします。

ただし、既存設備の老朽化や配管劣化がある場合は追加工事が発生します。

物件を決める前に専門家による現地調査を必ず実施しましょう。

複数業者から見積もりを取る

同じ内装工事でも業者によって見積もり金額は大きく異なります。

3社以上から見積もりを取ることで適正価格の把握と各社の提案力を比較できます。

価格だけでなく、過去の施工事例・デザインの質・対応の丁寧さも重要な判断基準です。

造作家具を既製品で代替する

オーダーメイドの造作家具は空間の個性を演出できますが、費用が大きくなります。

受付カウンターや鏡まわりなど「顧客の目に触れる場所」にコストを集中させ、バックヤードや収納は既製品で代替することで全体コストを削減できます。

投資箇所に優先順位をつける

内装費を最大限活かすには「集客に直結する場所」への重点投資が有効です。

入口・受付・鏡まわりなど顧客の視線が集まる場所にはコストをかけ、バックヤードや天井など目立ちにくい部分はシンプルに仕上げるメリハリ設計が費用対効果を高めます。

1人美容室の内装づくりでも同様のアプローチが有効です。

デザインと施工を一括発注する

デザイン会社と施工会社を別々に依頼すると、業者間の調整コストと二重マージンが発生します。

設計から施工まで一括で対応できる業者への発注は、認識齟齬を防ぎながらトータルコストを抑えるうえで効果的です。

スケジュール管理が一本化できる点もメリットとなります。

信頼できる内装業者の選び方

信頼できる内装業者の選び方

いくら優れた設計プランがあっても、それを正確に形にできる業者でなければ意味がありません。

美容室の内装業者選びが難しいのは、一般建築と異なる美容室特有の知識が業者ごとに差があるためです。

仕上がりと費用の両方を左右する業者選びで失敗しないよう、3つのチェックポイントを確認しましょう。

美容室の施工実績を確認する

美容室には給排水・電気容量・保健所の衛生基準など、一般店舗にはない特有の要件が多く存在します。

これらを熟知していない業者に依頼すると、施工後に追加工事が必要になるリスクがあります。

依頼前にホームページの美容室・サロンの施工実績数と完成事例の質を確認しましょう。

複数店舗のオーナーからリピートを受けている業者は、経験値と信頼性の高い証拠になります。

見積書の内訳が明確かチェックする

見積書が「一式◯◯万円」という大まかな表記になっている場合は注意が必要です。

工事項目ごとに内訳が明記されているか、設備費(シャンプー台・カットチェア等)が含まれているかを確認することで、後から追加費用が発生するリスクを防げます。

複数社を比較して適正価格を把握する

1社のみへの依頼では費用の高低を判断できません。

3社以上へ同時に見積もりを依頼することで相場感の把握と各社の提案力・コンセプト理解度を比較できます。

予算内で最大限の質を追求するうえで欠かせないステップです。

複数社への同時依頼の手間が課題という方には、店舗内装セレクトのような見積もり比較サービスの活用も選択肢のひとつです。

一括で複数社への相見積もりを代行するため、営業電話の対応なしで比較検討を進められます。

美容室の坪単価に関するよくある質問

美容室の坪単価に関するよくある質問

最後に、美容室の坪単価に関するよくある質問についてお答えします。

Q

美容室の坪単価はいくらですか?

A

物件の状態によって異なります。

スケルトン物件なら坪単価40〜70万円居抜き物件なら30〜40万円改装なら15〜30万円が目安です。

デザインのこだわりや設備グレードによってさらに変動します。

Q

10坪の美容室を開業するにはいくら必要ですか?

A

10坪のスケルトン物件の場合、内装工事費の目安は400〜700万円程度です。

これに加え、シャンプー台(30〜80万円/台)やカットチェア(7〜15万円/台)などの設備費、設計費、保証金・前家賃などの初期費用が別途かかります。

総開業費は物件・設備込みで800万〜1,200万円程度を見込むのが一般的です。

Q

20坪の美容室の内装費用はいくらですか?

A

20坪のスケルトン物件で800〜1,400万円程度、居抜き物件で600〜800万円程度が内装工事費の目安です。

設備費(シャンプー台・カットチェアなど)は別途発生するため、設備費を含めた総費用で資金計画を立てましょう。

設備費は台数・グレードにもよりますが、200〜400万円程度を見込んでおくのが安心です。

Q

美容室の内装費用を安く抑える方法はありますか?

A

主な節約方法は5つあります。

  1. 既存設備を活用できる居抜き物件を優先する
  2. 3社以上から見積もりを比較する
  3. 造作家具を既製品で代替する
  4. 集客に直結する場所に投資を集中する
  5. デザインと施工を一括発注する

なかでも居抜き物件の活用は最も効果的で、スケルトンと比べて内装工事費を30〜50%程度抑えられるケースもあります。

Q

美容室の内装工事は居抜きとスケルトンどちらが安いですか?

A

一般的には居抜き物件の方が費用を抑えやすいです。

坪単価の目安はスケルトンが40〜70万円に対し、居抜きは30〜40万円程度です。

ただし、既存内装がコンセプトと合わない場合や設備が老朽化している場合は全面解体・設備更新が必要になり、スケルトンとほぼ変わらない費用になるケースもあります。

物件を決める前に内装業者に現地調査を依頼し、追加工事の有無と費用を確認することが重要です。

まとめ

理想の美容室内装を予算内で実現するには、物件選びの段階から坪単価を意識し、複数の業者に早めに相談することが近道です。

この記事のまとめ
  • 美容室の内装坪単価はスケルトン40〜70万円、居抜き30〜40万円、改装15〜30万円が全国的な目安
  • 10坪ならスケルトン400〜700万円・居抜き300〜400万円、20坪ならスケルトン800〜1,400万円・居抜き600〜800万円が内装工事費の目安
  • 給排水工事・大容量電気設備・保健所対応が他業種より坪単価を押し上げる3大要因
  • 設備費(シャンプー台・カットチェア等)は内装工事費に含まれない場合があるため、見積書の内訳確認が必須
  • 費用を抑えるには居抜き物件の活用と3社以上の相見積もり比較が最も効果的
  • 業者は美容室専門の施工実績・見積書の透明性・複数社比較の3点で選ぶ

費用の相場観を持ったうえで見積もりを比較することで、不要なコストの上振れを防ぎながら理想の空間づくりを進められます。