美容室の坪単価はいくら?内装費用の相場と失敗しない見積もりの考え方【居抜き・スケルトン別】

美容室の坪単価はいくら?内装費用の相場・失敗しない見積もりの考え方

美容室の開業を考えているとき、多くの方が「坪単価」という言葉に出会います。

ネットで検索すると「20万円」「50万円」「70万円」と、サイトによって数字がバラバラで、どれを信じればいいのか分からなくなってしまいますよね。

坪単価だけを見て「この業者は安い」と判断してしまうと、あとで追加費用が膨らんで予算オーバー、なんてことも珍しくありません。

この記事では、美容室の内装工事における坪単価の本当の意味と、居抜き物件とスケルトン物件それぞれの相場、さらに坪数別の総額目安まで徹底的に解説します。

見積もりで見落としがちな別途費用や、費用が高くなる・安くなる決定要因についても詳しく紹介しますので、開業準備をスムーズに進めるための判断材料としてお役立てください。

目次

美容室の坪単価とは?まずは意味を正しく理解しよう

美容室の坪単価とは?まずは意味を正しく理解しよう

坪単価とは、1坪あたりにかかる内装工事費用のことを指します。

たとえば20坪の物件で坪単価が40万円なら、単純計算で800万円が内装工事費の目安になるという考え方です。

一見シンプルで分かりやすい指標ですが、実は坪単価には明確な定義がなく、業者や情報サイトによって「含まれる費用」が大きく異なります。

一般的には、造作工事や仕上げ工事、給排水工事、電気工事、空調設備などの基本的な内装施工費が坪単価に含まれることが多いです。

しかし、設計デザイン費やシャンプー台などの美容機器、家具や什器、看板や申請手続きの費用などは「別途」とされているケースがほとんどです。

つまり、坪単価30万円と聞いても、それが工事のどこまでをカバーしているのかを確認しなければ、本当の総額は分からないのです。

坪単価の数字がサイトごとに違う理由も、この「含まれる範囲の違い」にあります。

ある業者は造作と設備工事だけを坪単価に含め、別の業者はデザイン費や一部の設備費まで含めて計算している場合があります。

だからこそ、坪単価はあくまで「目安」として捉え、見積もりの内訳をしっかり確認することが何よりも大切になります。

美容室の坪単価相場はいくら?【結論】

美容室の坪単価相場はいくら?【結論】

美容室の内装工事における坪単価の相場は、一般的に25万円から70万円程度の幅があります。

これは物件の状態、施工内容、デザインのこだわり度合いなどによって大きく変動するためです。

平均的な予算としては坪単価30万円から45万円こだわりを持って作り込む場合は40万円から60万円が一つの目安と言えるでしょう。

なぜこれほど幅が出るのかというと、美容室特有の設備要件が影響しています。

シャンプー台を設置するための給排水工事、複数のドライヤーやアイロンを使うための電気容量の増設、湿気や臭いを適切に処理するための換気設備など、一般的なオフィスや物販店とは異なる専門工事が必要になるからです。

特に給排水まわりの配管工事は、位置を移動したり新設したりする場合に費用が跳ね上がりやすいポイントです。

また、物件が居抜きなのかスケルトンなのか既存設備をどこまで流用できるのかによっても坪単価は大きく変わります。

次の項目では、居抜き物件とスケルトン物件それぞれの坪単価相場について詳しく見ていきましょう。

居抜き物件の坪単価相場と注意点

居抜き物件とは、前のテナントが使用していた設備や内装が残っている物件のことです。

美容室の居抜き物件の場合、坪単価の相場は30万円から40万円程度とされています。

スケルトンと比べて初期費用を抑えやすいのが最大のメリットですが、注意すべき点もあります。

居抜き物件が安くなりやすい理由は、シャンプー台やセット面、鏡、電気・給排水の配管などがすでに設置されているため、それらをそのまま使えば造作や設備工事の手間とコストが大幅に削減できるからです。

前のオーナーが使っていたレイアウトや動線が自分のコンセプトに合っていれば、最小限の手直しだけで開業できるケースもあります。

しかし、居抜きだからといって必ずしも安く済むとは限りません

既存設備が古く劣化している場合や、配管・電気容量が現在の基準に合っていない場合、結局は撤去して新設する必要が出てきます。

また、前のサロンのイメージを払拭するために壁紙や床材を全面的に張り替えたり、動線を大きく変更したりすれば、居抜きのメリットは薄れてしまいます。

居抜き物件を選ぶときは、既存設備の状態と自分のコンセプトとの相性をしっかり見極めることが重要です。

スケルトン物件の坪単価相場と特徴

スケルトン物件は、前のテナントが退去する際に内装や設備をすべて撤去し、躯体だけが残っている状態の物件です。

美容室のスケルトン物件における坪単価の相場は、40万円から70万円程度とされています。

居抜きに比べて費用はかかりますが、自由度の高さが大きな魅力です。

スケルトンのメリットは、コンセプトやブランドイメージに合わせてゼロから空間を設計できることです。

壁の位置、照明の配置、シャンプー台の向き、セット面の配置など、すべてを自分の理想通りに作り上げられます。

衛生面でも新品の設備を導入できるため、お客様に清潔で新しい印象を与えやすくなります。

一方でデメリットは、工事範囲が広くなるため費用と工期がかかることです。

特に坪単価が高くなりやすい工事項目としては、給排水の配管新設、電気容量の増設、空調や換気設備の導入、床・壁・天井の仕上げ工事などが挙げられます。

スケルトン物件を選ぶ場合は、工事内容を細かく把握して、予算と納期に余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

坪数別に見る美容室内装費用の目安【10坪・15坪・20坪・30坪】

坪数別に見る美容室内装費用の目安【10坪・15坪・20坪・30坪】

美容室の内装費用は、物件の広さによっても大きく変わります。

ここでは、10坪、15坪、20坪、30坪の規模別に内装費用の目安を見ていきましょう。

なお、小規模な美容室ほど坪単価が高くなりやすい傾向があります。

これは、工事の基本コスト(設計費、現場管理費、最低限の設備費など)が一定額かかるため、坪数が少ないとそれが割高に感じられるからです。

10坪前後の美容室|内装費用の目安

10坪前後の美容室は、オーナー1人または少人数で運営する小規模サロンに適したサイズです。

内装費用の総額
  • 居抜き物件:約300万円から500万円
  • スケルトン物件:約400万円から700万円 が目安
  • 坪単価
    居抜き:30万円から50万円程度
    スケルトン:40万円から70万円程度

10坪という限られた空間では、セット面は2から3席、シャンプー台は1台が一般的な配置となります。

狭い分、動線設計やレイアウトの工夫が重要になり、設計の質が仕上がりを大きく左右します。

また、小規模だからといって給排水や電気工事の基本コストが安くなるわけではないため、坪単価が高めになる傾向があります。

パーティションや鏡、照明の配置を工夫することで、狭さを感じさせない空間づくりが可能です。

15〜20坪の美容室|内装費用の目安

15坪から20坪の美容室は、スタッフ2名から3名で運営できる「ちょうどいい」サイズとして人気があります。

内装費用の総額
  • 15坪:約500万円から900万円
  • 20坪:約600万円から1200万円 が相場
  • 坪単価
    居抜き:30万円から40万円程度
    スケルトン:50万円から60万円程度

このサイズになると、セット面を4席から6席、シャンプー台を2台設置できるため、複数のお客様を同時に対応できる運営体制が整います。

待合スペースや受付カウンター、スタッフルームなども適度に確保できるため、機能性とデザイン性のバランスを取りやすくなります。

ただし、坪数が増えれば内装材や設備の量も増えるため、総額は自然と高くなります。

予算配分を明確にして、どこにコストをかけるかを事前に決めておくことが重要です。

30坪以上の美容室|内装費用の目安

30坪以上の美容室は、複数のスタイリストを抱える中規模以上のサロンに適しています。

内装費用の総額
  • 居抜き:約900万円から1500万円
  • スケルトン:約1200万円から2100万円 が目安
  • 坪単価
    居抜き:30万円から50万円程度
    スケルトン:40万円から70万円程度

30坪を超えると、セット面を8席以上、シャンプー台を3台から4台配置できるため、同時施術数が増え、売上の拡大が期待できます。

個室やVIPルーム、カラー専用スペースなど、サービスの幅を広げるためのゾーニングも可能になります。

一方で、広い空間を魅力的に見せるためにはデザインの質が求められ、照明計画や内装材の選定にもこだわりが必要です。

また、空調や換気の能力も広さに応じて高めなければならず、設備投資が増える点にも注意が必要です。

美容室の内装費用は何にかかる?坪単価の内訳を解説

美容室の内装費用は何にかかる?坪単価の内訳を解説

坪単価を理解するためには、その内訳を知ることが欠かせません。

美容室の内装工事費用は、大きく分けて「内装工事費」「給排水工事」「電気・照明工事」「空調・換気設備工事」の4つの項目で構成されています。

それぞれの工事内容と費用の目安を見ていきましょう。

内装工事費

内装工事費は、床・壁・天井の仕上げ、造作工事、パーティションの設置などを含む工事です。

美容室の場合、床材には耐水性や清掃性に優れたフローリングやタイル、壁材にはクロスや塗装、天井にはクロスやボードが使われることが多いです。

造作工事では、受付カウンターやセット面の台座、収納棚などを大工が現場で作り上げます。

内装工事費は、使用する素材のグレードや仕上げの精度によって費用が大きく変わります。

たとえば、無垢材を使ったカウンターやデザイン性の高い壁面仕上げを選べば、それだけ費用は上がります。

逆に、シンプルな仕上げで素材を抑えれば、コストダウンが可能です。

内装工事費は坪単価全体の中でも大きな割合を占めるため、デザインと予算のバランスをしっかり考えることが大切です。

給排水工事

給排水工事は、シャンプー台まわりの配管を整える工事です。

美容室では、シャンプー台に冷水・温水を供給し、排水を適切に処理する必要があります。

既存の配管位置とシャンプー台の設置位置が合っていれば費用は抑えられますが、配管を延長したり新設したりする場合は数十万円単位で費用が増えます。

特にスケルトン物件では、給排水の配管を一から引き込む必要があるため、工事費が高くなりやすいです。

また、給湯器の容量や配置も重要なポイントです。

複数のシャンプー台を設置する場合は、十分な給湯能力を確保しなければ、営業中にお湯が足りなくなるトラブルが起こります。

給排水工事は、美容室の運営に直結する重要な部分ですので、専門業者としっかり打ち合わせを行いましょう。

電気工事・照明工事

電気工事は、コンセントの増設や配線の引き直し、ブレーカーの容量アップなどを行う工事です。

美容室では、ドライヤー、アイロン、スチーマー、パーマ機など、多くの電気機器を同時に使用するため、通常の住宅やオフィスよりも大きな電気容量が必要になります。

特に複数のセット面で同時にドライヤーを使う場合、電気容量が不足していると頻繁にブレーカーが落ちてしまい、営業に支障をきたします。

照明工事も、美容室の雰囲気を左右する重要な要素です。

セット面まわりには、髪の色や質感を正確に見るための明るく自然な照明が必要ですし、待合エリアやシャンプーエリアには、リラックスできる落ち着いた照明が求められます。

照明器具のグレードや配置によって、空間の印象は大きく変わります。

電気工事と照明工事は、機能性とデザイン性の両面をバランスよく考えることが大切です。

空調・換気設備工事

空調・換気設備工事は、エアコンや換気扇の設置、ダクト工事などを含む工事です。

美容室では、カラー剤やパーマ液の臭いが発生するため、適切な換気設備が必須です。

また、夏場は冷房、冬場は暖房を効率よく運転できるエアコンの能力も重要です。

広さや天井高、窓の有無によって必要な空調能力は変わりますので、物件の条件に合わせた設備を選ぶ必要があります。

換気設備が不十分だと、店内に臭いがこもり、お客様やスタッフの快適性が損なわれます。

また、保健所の検査で換気基準を満たしていないと営業許可が下りない場合もありますので、法令に適合した設備を導入することが前提となります。

空調・換気工事は、快適な空間づくりと法令遵守の両面から欠かせない工事です。

見積もりで見落としやすい別途費用に注意

見積もりで見落としやすい別途費用に注意

坪単価に含まれる工事費用を把握したら、次に注意すべきなのが「別途費用」です。

見積もりに「別途」と記載されている項目は、坪単価とは別に追加でかかる費用ですので、総額を計算する際には必ずこれらを含めなければなりません。

代表的な別途費用について解説します。

設計・デザイン費用

設計・デザイン費用は、空間のレイアウトや内装デザインを設計する費用です。

美容室の場合、コンセプトやブランドイメージに合わせたデザインが求められるため、専門のデザイナーに依頼することが一般的です。

設計費用の相場は、工事費全体の10パーセントから15パーセント程度とされています。

たとえば、内装工事費が600万円なら、設計費は60万円から90万円が目安です。

デザイン費用を抑えたいからといって、設計をおろそかにすると、動線が悪くなったり、空間が使いづらくなったりするリスクがあります。

デザインは美容室の第一印象を決める重要な要素ですので、予算内で信頼できるデザイナーを選ぶことが大切です。

シャンプー台・美容機器の費用

シャンプー台や美容機器の費用は、多くの場合、坪単価には含まれず別途計上されます。

シャンプー台本体の価格は1台あたり30万円から100万円程度で、グレードや機能によって大きく差があります。

さらに、設置工事費として配管工事や取り付け費用が25万円から60万円ほどかかります。

つまり、シャンプー台1台あたり、合計で55万円から160万円程度の予算を見込む必要があります。

その他、セット用の椅子(1脚あたり2万円から25万円)、パーマ器具(15万円から35万円)、スチーマーやアイロンなどの小型機器も必要です。

これらの費用を合計すると、数十万円から数百万円に達することもありますので、事前にしっかりと予算を確保しておきましょう。

家具・什器・ミラー・看板費用

家具・什器・ミラー・看板なども、別途費用として計上されることが多いです。

待合エリアのソファやテーブル、受付カウンター、スタッフルームの収納棚、セット面の大型ミラーなど、美容室の運営に欠かせないアイテムが含まれます。

これらの費用は、デザインや素材によって幅がありますが、合計で50万円から100万円程度を見込むのが一般的です。

また、店舗の看板やサイン工事も重要です。

外装の看板やガラス面のロゴシート、店内のメニューボードなど、ブランディングに関わる要素は、お客様の目に触れる最初のポイントですので、予算をしっかり確保したいところです。

各種申請・諸経費

美容室を開業するには、保健所への開設届や消防署への防火対象物使用開始届など、各種申請手続きが必要です。

これらの申請にかかる費用や、行政書士などの専門家に依頼する場合の手数料も別途費用として発生します。

また、工事現場の管理費や廃材処分費、保険料などの諸経費も見積もりに含まれます。

諸経費は、工事費全体の10パーセントから15パーセント程度が目安とされています。

これらの費用は細かい項目が多く、見積もりで見落としがちですが、合計すると数十万円に達することもあります。

見積もりを受け取ったら、別途費用の項目を一つひとつ確認し、総額に含めて予算を立てることが重要です。

美容室の坪単価が高くなる・安くなる決定要因

美容室の坪単価が高くなる・安くなる決定要因

同じ坪数の美容室でも、内装費用が大きく変わることがあります。

その理由は、いくつかの決定要因によって工事の内容や範囲が変わるからです。

ここでは、坪単価に影響を与える主な要因を解説します。

給排水・設備を移動するかどうか

給排水の配管や電気の配線を移動するかどうかは、費用に大きな影響を与えます。

既存の配管位置とシャンプー台の設置位置が一致していれば、配管工事は最小限で済みますが、位置をずらす場合は配管の延長工事や新設工事が必要になり、数十万円から百万円単位で費用が増えることもあります。

特にスケルトン物件では、給排水の配管を一から引き込む必要があるため、レイアウトの自由度が高い反面、費用も高くなりやすいです。

居抜き物件を選ぶ場合は、既存設備の位置を活かしたレイアウトを考えることで、大幅なコストダウンが可能になります。

既存設備を再利用できるか

居抜き物件では、前のテナントが使っていた設備を再利用できるかどうかが費用を左右します。

シャンプー台、セット椅子、鏡、照明器具などが状態良く残っていて、自分のコンセプトに合う場合は、大幅なコストダウンが期待できます。

一方で、古くて劣化している設備を使い続けると、開業後すぐに故障してメンテナンス費用がかさむリスクもあります。

設備の再利用を検討する際は、見た目だけでなく、機能性や耐久性も含めて専門家に確認してもらうことが重要です。

短期的な費用節約にこだわりすぎて、長期的なコストが増えるのは本末転倒ですので、バランスを考えた判断が求められます。

デザインの作り込み度合い

内装のデザインをどこまで作り込むかによっても、費用は大きく変わります。

シンプルで機能的な内装にするなら、標準的な素材と仕上げで坪単価を抑えられますが、オリジナルの造作家具や高級な内装材、複雑な照明計画などを取り入れると、坪単価は一気に上がります。

デザインにこだわることは、ブランドイメージを高め、集客につながる投資でもあります。

ただし、予算には限りがありますので、どこにコストをかけ、どこを抑えるかのメリハリをつけることが大切です。

たとえば、お客様の目に触れるセット面まわりはしっかり作り込み、バックヤードや収納はシンプルに仕上げるといった工夫が有効です。

工期・スケジュールの影響

工期が短い場合や、急ぎで工事を進める必要がある場合は、人件費や資材の調達コストが増えるため、費用が高くなることがあります。

また、工事中に設計変更を頻繁に行うと、その都度追加費用が発生します。

逆に、余裕を持ったスケジュールで計画を進め、設計段階でしっかり詰めておけば、無駄なコストを抑えられます。

開業日が決まっている場合でも、物件探しや設計の段階で十分な時間を確保することが、結果的にコストダウンにつながります。

焦って決めた結果、後で追加工事が発生して予算オーバーになるケースは少なくありませんので、計画的に進めることが重要です。

美容室の坪単価を抑えるためのポイント

美容室の坪単価を抑えるためのポイント

内装費用を抑えたいと考えるのは自然なことですが、ただ安く済ませるだけでは、使いづらい空間になったり、開業後にトラブルが発生したりするリスクがあります。

ここでは、質を保ちながらコストを抑えるための具体的なポイントを紹介します。

レイアウトを工夫して設備を動かさない

居抜き物件を選ぶ場合、既存の給排水や電気の配管位置を活かしたレイアウトを考えることで、設備移動のコストを大幅に削減できます。

たとえば、前のテナントが使っていたシャンプー台の位置をそのまま使い、セット面の配置を工夫することで、配管工事を最小限に抑えられます。

設備を動かさないことで、工期も短縮でき、開業までの期間を早められるメリットもあります。

ただし、動線や使い勝手が悪くなっては本末転倒ですので、レイアウトは専門家と相談しながら慎重に決めることが大切です。

居抜き物件を選ぶ際のチェックポイント

居抜き物件でコストを抑えるためには、物件選びの段階でしっかりチェックすることが重要です。

まず、既存設備の状態を確認しましょう。

シャンプー台や配管が劣化していないか、電気容量は十分か、空調や換気設備は正常に動作するかなど、専門業者に同行してもらって点検することをおすすめします。

また、前のテナントのイメージが強く残っている場合、それを払拭するための工事が必要になることも考慮しましょう。

壁紙や床材の張り替え、照明の変更など、最低限の手直しでイメージを一新できる物件を選ぶことが、コスト面でも有利です。

相見積もりは同条件で取ることが重要

複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は、適正な価格を知るために有効な手段ですが、注意点もあります。

それは、見積もりの条件を統一することです。

業者によって坪単価に含まれる範囲が異なるため、単純に金額だけを比較しても意味がありません。

見積もりを依頼する際は、工事範囲や仕様を明確に伝え、どの費用が含まれているのかを確認しましょう。

また、安すぎる見積もりには注意が必要です。後から追加費用が発生したり、工事の質が低かったりするケースもあります。

価格だけでなく、実績やアフターフォローの体制も含めて総合的に判断することが大切です。

坪単価だけで判断すると失敗する理由

坪単価だけで判断すると失敗する理由

坪単価は便利な目安ですが、それだけを基準に業者を選んだり予算を決めたりすると、思わぬ失敗につながることがあります。

ここでは、坪単価だけで判断することの危険性について、よくある失敗例をもとに解説します。

坪単価が安く見えて総額が膨らむケース

ある業者は坪単価30万円と提示してきたが、別の業者は坪単価45万円だった場合、多くの人は前者を選びたくなります。

しかし、坪単価30万円の見積もりには設計費やシャンプー台の設置費、看板費用などが含まれておらず、後から追加請求された結果、総額では坪単価45万円の業者よりも高くなってしまった、というケースは少なくありません。

見積もりを比較する際は、必ず「総額」と「含まれる項目」を確認し、同じ条件で比較することが重要です。

坪単価の安さだけに惑わされず、全体像を把握することが失敗を防ぐカギです。

工事後に追加費用が発生するケース

工事が始まってから「配管が古くて使えないので交換が必要」「電気容量が足りないので増設工事が必要」といった理由で追加費用を請求されるケースもあります。

これは、事前調査が不十分だったり、見積もり時に想定外の問題が発覚したりすることが原因です。

こうしたトラブルを防ぐためには、契約前に物件の現地調査をしっかり行い、潜在的なリスクを洗い出しておくことが重要です。

また、契約書に追加費用の発生条件や上限額を明記しておくことで、不意の出費を抑えることができます。

運営しづらい内装になってしまうケース

コストを抑えることに注力しすぎて、動線が悪くなったり、設備が使いづらくなったりすると、開業後の運営に支障をきたします。

たとえば、シャンプー台とセット面の距離が遠すぎて移動に時間がかかる、収納スペースが足りずに備品が溢れる、照明が暗くて作業がしづらいといった問題が出てきます。

内装は、見た目の美しさだけでなく、日々の業務をスムーズに行うための機能性も重要です。

予算を抑えることと、使いやすさを両立させるためには、経験豊富なデザイナーや施工業者と密にコミュニケーションを取り、実際の運営シーンをイメージしながら設計を進めることが大切です。

美容室開業費用全体の中で内装費はどれくらい?

美容室開業費用全体の中で内装費はどれくらい?

美容室の開業には、内装工事費だけでなく、物件取得費、設備・什器購入費、広告宣伝費、運転資金など、さまざまな費用がかかります。

開業資金全体の相場は、おおよそ1000万円前後とされていますが、その中で内装費が占める割合はどのくらいなのでしょうか。

一般的には、内装工事費は開業資金全体の約40パーセントから50パーセントを占めると言われています。

たとえば、開業資金が1000万円なら、内装費は400万円から500万円が目安です。

内装費は開業資金の中で最も大きな割合を占めるため、ここをどう管理するかが開業全体の予算を左右します。

内装費をかけるべき部分としては、お客様の目に触れるセット面やシャンプーエリア、待合スペースなど、ブランドイメージに直結する場所が挙げられます。

一方で、バックヤードやスタッフルームなど、お客様が見ない部分は機能性を重視してシンプルに仕上げることで、コストを抑えられます。

予算配分にメリハリをつけることが、賢い内装投資のポイントです。

よくある質問(FAQ)

美容室の坪単価や内装費用に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q

美容室の坪単価は平均いくらですか?

A

美容室の内装工事における坪単価の平均は、30万円から45万円程度です。

ただし、物件の状態やデザインのこだわりによって、25万円から70万円まで幅があります。

Q

10坪の美容室だと内装費はいくらかかりますか?

A

10坪の美容室の内装費は、居抜き物件で約300万円から500万円、スケルトン物件で約400万円から700万円が目安です。

小規模な美容室は坪単価が高くなりやすい傾向があります。

Q

坪単価にシャンプー台の費用は含まれますか?

A

多くの場合、シャンプー台の本体費用や設置費用は坪単価に含まれず、別途費用として計上されます。

見積もりを受け取る際は、何が含まれているのかを必ず確認しましょう。

Q

居抜き物件は本当にお得ですか?

A

居抜き物件は、既存設備を活用できる場合はコストを大幅に抑えられますが、設備が古かったり、自分のコンセプトに合わなかったりすると、かえって費用がかさむこともあります。

物件選びの段階でしっかり確認することが重要です。

Q

見積もりの「一式」は信用して大丈夫ですか?

A

見積もりに「一式」と記載されている項目は、具体的な内訳が不明瞭なため注意が必要です。

何が含まれているのか、業者に詳しく説明してもらい、納得できる内容かを確認しましょう。

まとめ

美容室の坪単価は、あくまで内装費用の目安であり、それだけで業者や物件を判断するのは危険です。

重要なのは、坪単価の内訳と総額をしっかり把握し、何が含まれていて何が別途なのかを明確にすることです。

居抜き物件とスケルトン物件では相場が異なり、坪数や設備の移動、デザインのこだわり度合いによっても費用は大きく変わります。

見積もりを受け取ったら、設計費やシャンプー台、家具・什器、申請費用などの別途費用を含めた総額を計算し、予算内に収まるかを確認しましょう。

また、相見積もりを取る際は、同じ条件で比較することが重要です。

安さだけに惑わされず、実績やアフターフォロー、提案力なども含めて総合的に判断することが、失敗しない内装工事のカギとなります。

次にやるべき行動としては、まず気になる物件を実際に見て、既存設備の状態や動線を確認すること、そして複数の業者から詳細な見積もりを取り、内訳を比較することです。

しっかりと準備を進めて、理想の美容室を実現しましょう。