「自分だけのバーをいつか開きたい」という夢を持ちながら、内装費用の高さに悩んでいる方は少なくありません。業者に全て依頼すると、規模によっては数百万円規模の初期投資が必要になるケースもあり、開業前から資金計画が崩れてしまうこともあります。
しかし、Bar内装の中には自分でDIYできる部分が数多く存在します。「どこをプロに任せ、どこを自分でやるか」を正しく判断するだけで、コストを大幅に抑えながら個性的な空間を作ることが可能です。
本記事では、Bar内装を自分でDIYする際のメリット・デメリットから、事前準備・作業範囲の見極め・デザインのポイント・費用を抑えるコツまで、実践的な視点で解説します。これからバー開業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
【結論】Barの内装工事は自分でできる!ただし「全部DIY」は要注意

結論からお伝えすると、Barの内装工事は配管・電気工事などの専門工事を除けば、自分でDIYすることが可能です。壁紙の貼り替えや塗装・床材の張り替え・棚や家具の組み立てなどは資格不要で取り組めます。
ただし「全部を自分でやろう」とすると、法的に問題のある工事に手を出してしまうリスクがあります。大切なのは、自分でできる作業とプロに任せるべき工事を正しく見極めることです。
Bar内装の工事費用は、物件の状態によって大きく異なります。
以下に居抜き物件とスケルトン物件の費用相場をまとめました。DIYを取り入れることで、これらの費用をさらに削減できる可能性があります。
| 物件タイプ | 坪単価の目安 | 10坪の場合の概算 |
|---|---|---|
| 居抜き物件 | 約15〜35万円 | 約150〜350万円 |
| スケルトン物件 | 約30〜60万円 | 約300〜600万円 |
居抜き物件は既存の設備や内装をそのまま活用できるため初期費用を大きく抑えられます。スケルトン物件は自由度が高い反面、全てを一から作るため費用が高くなる傾向があります。
どちらの物件を選ぶ場合でも、DIYを上手に組み合わせることで総コストの圧縮が期待できます。
Barの内装工事を自分でするメリット・デメリット

Bar内装のDIYに取り組む前に、まずメリットとデメリットの両面を正確に把握しておくことが大切です。
「なんとなくDIYの方が安そう」という感覚だけで進めると、後から想定外のコストや手間が発生してしまいます。事前にしっかりと理解した上で計画を立てていきましょう。
【メリット】個性的なデザインを自分のイメージで実現できる
業者にBar内装工事を依頼した場合、一般的にはカタログからの選択や業者からのデザイン提案が中心となります。そのため仕上がりのクオリティは担保される一方、「どこかで見たような内装」になりがちというデメリットがあります。また、自分のイメージをうまく伝えきれず、妥協せざるを得ないケースも少なくありません。
自分でBar内装を手がけると、コンセプトや好みを隅々まで反映した、世界に一つだけの空間を作ることができます。素材・色・什器の配置にいたるまで自分の感性で決められる点が、DIYの最大の魅力です。
【メリット】業者依頼より費用を大幅に抑えられる
Bar内装工事を業者に依頼した場合、デザイン費や工賃を含めた坪単価は一般的に15万円以上になることも珍しくありません。10坪の小規模なバーでも、全て業者に依頼すると150万円以上の費用がかかる計算になります。
自分でDIYできる箇所を増やすことで、こうした工賃やデザイン費を削減できます。特に壁紙の貼り替えや塗装・棚の組み立てなどは材料費だけで済むため、コスト削減効果が大きい作業です。開業時の初期投資を抑えることで、運転資金に余裕を持たせることにもつながります。
【デメリット】自分でできない作業もある
DIYのメリットは大きい一方で、全ての作業を自分でできるわけではありません。電気配線・ガス配管・給排水工事などは、専門の資格を持つ業者でなければ施工できないと法律で定められています。
無資格で電気工事を行った場合、電気工事士法違反となり罰則の対象になるだけでなく、感電や火災といった重大事故のリスクも生じます。「少しくらいなら大丈夫」という油断が取り返しのつかない事故につながることがあるため、専門工事は必ずプロに依頼することを徹底しましょう。
Barの内装工事を自分でする前に必要な準備

Bar内装のDIYを始める前に、コンセプト・予算・法令の3点を整理しておくことが重要です。この準備を怠ると、工事の途中で方針が変わったり、想定外のコストが発生したりするリスクが高まります。着手前にしっかりと土台を固めておきましょう。
お店の雰囲気とターゲット客層を明確にする
バーの内装デザインは、「どんなお客様に来てほしいか」という視点から考えると方向性が定まりやすくなります。落ち着いた大人向けのオーセンティックバーなのか、気軽に立ち寄れるカジュアルなショットバーなのかによって、照明の明るさ・席の配置・使用する素材が大きく変わってきます。
イメージを言語化するだけでなく、PinterestやInstagramで参考画像を集めてビジュアルボードを作成しておくと、業者との打ち合わせや材料選びの際にもズレが生じにくくなります。コンセプトが明確であればあるほど、DIY作業もスムーズに進められます。
使える予算と優先順位を決める
まず総予算を決め、「安全設備」→「集客に直結する箇所」→「装飾・仕上げ」の順で優先順位をつけて予算を配分しましょう。換気設備や電気設備などの安全面は後回しにできませんが、装飾の一部は開業後に少しずつ追加することも可能です。
また予算は想定より膨らみやすいため、全体の10〜20%を予備費として確保しておくことを強くおすすめします。見積もりは複数の業者から取り比較することで、費用の相場感を把握しやすくなります。
安全と法令の最低限を確認する
バーを開業するためには、飲食店営業許可の取得が法的に必須です。申請先は管轄の保健所で、申請から許可証の交付まで約2〜3週間かかります。また深夜0時以降に酒類を提供する場合は、警察署への「深夜酒類提供飲食店営業開始届」の提出も必要です。
内装工事に着手する前に保健所へ事前相談を行い、シンク数・手洗い設備・厨房と客席の区画など設備基準を確認しておきましょう。基準を知らずに施工してしまうと、工事のやり直しが発生するケースがあります。
開業スケジュールから逆算して工程を組む
DIYで見落とされがちなのが、作業にかかる「時間」の見積もりです。塗装後の乾燥時間・クロス張り替え後の養生時間・保健所の許可取得期間など、手を動かす時間以外にも多くの日数が必要になります。
たとえば飲食店営業許可の取得には申請から約2〜3週間かかるため、開業日から逆算して許可申請のタイミングを計る必要があります。工程ごとに担当者と期限を明確にした工程表を作成し、開業日に間に合うように余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
Barの内装工事を自分でできるのはどこまで?

Bar内装のDIYで最も重要なのが「作業の線引き」です。どこを自分でやり、どこをプロに任せるかを明確にしておくことで、安全性とコスト効率を同時に高めることができます。着手前に必ず確認しておきましょう。
自分でできる工事と外注する工事の判断基準
Bar内装の工事は「DIYで対応できる作業」と「資格・専門知識が必要な作業」に大きく分けられます。
判断の基準は「法的な制約があるか」「失敗した場合の修復コストが大きいか」「安全への影響があるか」の3点です。以下の一覧表を参考に作業を分類してみてください。
| 作業内容 | DIY可否 | 難易度 | 節約効果 |
|---|---|---|---|
| 壁紙・クロスの貼り替え | 可 | ★★☆ | 大 |
| 塗装・ペイント | 可 | ★☆☆ | 大 |
| 床材(クッションフロア等)の張り替え | 可 | ★★☆ | 大 |
| 棚・収納の組み立て | 可 | ★☆☆ | 中 |
| カウンター・家具のDIY | 可 | ★★★ | 大 |
| 照明器具の取り付け(引掛シーリング式) | 可 | ★☆☆ | 中 |
| 電気配線・配管工事 | 不可 | 要資格 | — |
| ガス配管工事 | 不可 | 要資格 | — |
| 給排水配管工事 | 不可 | 要資格 | — |
電気・ガス・水道を素人がやってはいけないの理由
電気配線工事は「電気工事士法」により、電気工事士の資格を持つ者でなければ施工できないと定められています。無資格で施工した場合、3か月以下の懲役または3万円以下の罰金が科される可能性があります。
またガス配管工事は指定業者のみが施工できる工事であり、給排水工事にも有資格者による施工・管理が必要です。こうした専門工事を誤って自分で行った場合、火災・ガス漏れ・水漏れなどの重大事故につながるリスクがあります。
プロとDIYの役割分担で費用を最大限に節約する方法
費用を最大限に抑えるためには、「骨格・設備工事はプロ、仕上げ・装飾はDIY」という役割分担が効果的です。
具体的には電気・ガス・給排水などの設備工事と壁・床・天井の下地工事はプロに依頼し、その後の塗装・壁紙貼り・棚の組み立て・家具の設置などをDIYで行うという進め方です。
この役割分担を業者との契約前に明確に合意しておくことが重要です。DIYを前提とした施工を受け入れてくれる業者かどうかを見積もり依頼の段階で確認し、お互いの担当範囲をはっきりさせておきましょう。
Barの内装工事をおしゃれに仕上げるためのポイント

Bar内装のDIYで「なんとなく完成したけど雰囲気が出ない」という失敗を防ぐには、デザインの基本を押さえておくことが大切です。照明・カウンター・収納・色使いを意識するだけで、完成度が大きく変わります。
照明設計で空間のムードを演出する
照明はバーの雰囲気を左右する最重要要素です。基本は暖色系(2,700〜3,000K)を採用し、落ち着いた大人の空間を演出します。カウンターはやや明るく、テーブル席は暗めにすることで奥行きが生まれ、居心地の良さが向上します。
- 間接照明で壁や棚に立体感を出す
- スポットライトでボトルを強調する
- 調光機能で時間帯に応じて雰囲気を調整
照明器具は主張しすぎないデザインを選び、光の色味を統一することで、まとまりのある空間に仕上がります。
カウンター・席・動線のバランスを最適化する
カウンターはバーの印象を決める中心的な要素です。高さは90〜110cmが一般的で、椅子の座面(65〜75cm)とのバランスを考慮して設計します。立ち飲みスタイルを取り入れる場合は、やや高めに設定すると空間にメリハリが生まれます。
- 通路幅は最低60cm、理想は75cm確保
- スタッフがスムーズに動ける配置にする
- 可動式家具でレイアウト変更に対応
限られたスペースでも動きやすさを確保することで、快適な営業環境と顧客満足の両立が可能になります。
バックバーで「見せる収納」を取り入れる
バックバーは空間の印象を大きく左右する演出ポイントです。棚の奥行きを浅めに設計し、ボトルを正面から見せることで視覚的にすっきりとした印象になります。さらに間接照明を組み合わせることで、バーらしい高級感を演出できます。
- 棚の奥行きを浅くして整然と見せる
- 照明でボトルを際立たせる
- 素材や色を統一して一体感を出す
また、安全面として転落防止バーや固定設計を取り入れることで、安心して長く使える内装に仕上がります。
色と素材を統一して一体感を出す
バー内装では色と素材の統一が空間の完成度を大きく左右します。基本は「ベースカラー1色+アクセント1色」の2色構成にすると、まとまりやすく洗練された印象になります。
- ベースカラーを決めて全体に統一する
- アクセントカラーは1色に絞る
- 素材のトーンや質感を揃える
特に金属と木材を組み合わせる場合は色味を揃えることが重要です。柄物は控えめにし、無地や細かいデザインを選ぶことで、空間の圧迫感を軽減できます。
シンプルな什器選びで洗練された内装に仕上げる
Bar内装では、個性を出そうとして主張の強い什器を選ぶと、全体のバランスが崩れやすくなります。特に大型什器は空間への影響が大きく、デザイン次第で統一感を損なう原因になります。
- 什器はシンプル・ナチュラルを基準に選ぶ
- 個性は装飾や演出で表現する
- 後から変更できる余白を残す
シンプルな什器はどんなテイストにも馴染みやすく、装飾次第で雰囲気を変えられる柔軟性があります。結果として長く使える内装に仕上がります。
Barの内装工事を自分で行う際に実践したい費用削減のコツ

Bar内装を自分でDIYする際には、物件選びから材料の調達方法まで、工夫次第で費用を大きく圧縮することができます。施工の流れを把握しながら、費用を抑えるポイントを順番に確認していきましょう。
居抜き物件を選んで初期費用を大幅に抑える
居抜きとは、前テナントの設備や内装が残ったままの物件のことです。カウンターや厨房設備・什器がそのまま使えるケースも多く、スケルトン物件に比べて初期費用を大幅に抑えられるメリットがあります。
選ぶ際は前テナントの業態と自分のコンセプトが近いかどうかを確認しましょう。雰囲気が近ければ改装範囲が小さくなり、DIYでの対応もしやすくなります。契約前には設備の動作確認・換気設備の状態・残置物の有無を細かくチェックし、必要であれば簡単な見積もりを取って総費用の見通しを立てておきましょう。
中古什器・備品を活用してコストを削減する
中古什器の活用はコスト削減に直結します。カウンター椅子・冷蔵庫・グラス棚・照明器具など、バーで必要な什器の多くは中古市場で手に入れることができます。
購入時は写真だけで判断せず、必ず現物を確認してから購入しましょう。確認ポイントは動作確認・破損箇所の有無・清掃や補修が可能かどうかの3点です。塗装や布張り替えで見た目を整えると、費用対効果がさらに高まります。購入したい品のリストを事前に作成し、複数の中古業者を比較することで相場感を把握しやすくなります。
材料選びを工夫して低コストでおしゃれに仕上げる
床材・壁材・照明の素材選びで費用を抑えながら雰囲気を出すことができます。たとえば木目調の塩ビフローリングは本物の木材に比べて安価でありながら、温かみのある仕上がりになります。合板に塗装を施す方法も、コストを抑えつつ個性的な仕上がりを実現できる手法です。
壁は全体を高価な素材で仕上げるのではなく、視線が集まる1面だけアクセントウォールとして素材を変える方法が効果的です。投資箇所を絞ることで、全体の費用を抑えながら空間のポイントを際立たせることができます。
工具の準備とレンタル活用で無駄な出費を防ぐ
DIYを始める前に、必要な工具と安全装備を揃えておきましょう。Bar内装のDIYで基本となる工具は以下の通りです。
- 電動ドリル(ドライバー機能付き)
- 丸ノコまたはジグソー
- サンダー(研磨用)
- 水平器とメジャー
- ハンマー・ノコギリ類
安全装備として保護メガネ・防塵マスク・耐切創手袋・安全靴も必ず準備してください。工具のレンタルサービスを活用すると購入費用を抑えることができます。また着手前に近隣への挨拶と工事日程の共有を行い、騒音トラブルを未然に防ぐことも大切です。
施工後の点検とメンテナンスで追加コストを抑える
DIYで内装を仕上げた後は、設備や仕上がりの点検を行うことが重要です。電気設備の動作確認・給排水の正常稼働・棚の強度・扉や引き出しの開閉スムーズさなどを開業前に必ずチェックしましょう。
さらに、開業後のメンテナンス計画も事前に立てておくと安心です。照明フィルターの定期清掃・塗装の剥がれへのタッチアップ・棚のネジ緩み点検など、メンテナンス項目とスケジュールを記録しておくことで、内装を長くきれいな状態に保つことができます。問題が見つかった場合は早めに対処し、記録を残しておくと次回の改修計画にも役立ちます。
Barの内装を自分で行う際のよくある質問

実際に自分で内装工事を行うと思っても、さまざまな疑問が浮かび行動に移せない方も多いです。ここでは、よく寄せられる質問に丁寧に回答していますので、ぜひ参考にご覧ください。
Q
Bar内装を自分でDIYするとどのくらい費用を節約できますか?
A
DIYで対応できる壁紙・塗装・床材・棚の組み立てなどを自分で行うと、工賃やデザイン費の削減により数十万円単位のコスト圧縮が期待できます。
ただし節約額は工事内容や規模によって異なります。居抜き物件の活用や中古什器の導入と組み合わせると、さらに効果的に費用を抑えられます。
Q
Bar内装のDIYはどのくらいの期間がかかりますか?
A
規模や作業範囲によって異なりますが、塗装の乾燥時間・クロス張り替え後の養生期間なども含めると、一般的に数週間〜1か月以上かかるケースが多いです。
また飲食店営業許可の取得に約2〜3週間かかるため、開業日から逆算してスケジュールを組むことが重要です。
Q
DIY初心者でもBar内装は自分でできますか?
A
初心者でも壁の塗装・壁紙の貼り替え・棚の組み立てなど難易度の低い作業から始めれば十分対応可能です。ただし電気・ガス・給排水工事は資格が必要なため、プロに依頼することが前提です。
初めての方は「仕上げ・装飾はDIY、設備工事はプロ」という役割分担を徹底することをおすすめします。
まとめ
Bar内装を自分でDIYするには、事前のコンセプト設計・予算管理・法令確認の3点が成功の鍵です。
DIYできる作業とプロに任せるべき工事を正しく見極め、役割分担を明確にすることでコストを抑えながら個性的な空間を実現できます。
照明・カウンター・収納などデザインの基本を押さえながら、居抜き物件や中古什器も活用して、理想のバー開業を目指しましょう。