「バーを開業したいけれど、内装費用がいくらかかるのか見当がつかない」「おしゃれな空間にしたいけれど、予算オーバーが心配」と悩んでいませんか?
バーの内装費用は物件の種類・業態・こだわりの度合いによって大きく変動しますが、坪単価の相場を正しく把握しておけば、無駄なく理想の空間を実現できます。
本記事では、バーの内装費用の相場を物件タイプ別・業態別に解説したうえで、費用の内訳や見積書の見方、コストを抑える具体的な方法まで詳しくお伝えします。
目次
バーの内装費用の相場は坪単価30〜60万円

バーの内装費用はスケルトン物件か居抜き物件かで大きく異なります。ここでは物件タイプ別の坪単価と、坪数ごとの総額シミュレーションを紹介します。まずは自分の予算感と照らし合わせてみましょう。
- スケルトン物件の坪単価:30〜60万円
- 居抜き物件の坪単価:15〜30万円
- 20坪のバーなら総額300〜1,200万円が目安
スケルトン物件の費用目安
スケルトン物件とは、天井・壁・床がすべて撤去され、建物の骨組みだけが残された状態の物件です。ゼロから内装を作り上げるため、坪単価は30〜60万円と高めになります。
たとえば20坪のバーをスケルトン物件で開業する場合、内装工事費だけで600〜1,200万円が必要です。工期は1か月以上を見込んでおきましょう。ただし、自分の理想を反映した自由なデザインが実現できる点が最大のメリットです。
居抜き物件の費用目安
居抜き物件とは、前テナントの内装や設備がそのまま残っている物件です。カウンターや空調設備を再利用できれば、坪単価15〜30万円まで費用を抑えられます。
20坪の居抜き物件であれば、総額300〜600万円が目安です。工期も1〜2週間程度で済むケースが多く、開業までのスピードも速くなります。ただし、前店舗の雰囲気が残りやすいため、自分のコンセプトと合うかどうかを慎重に見極めることが重要です。
坪数別の費用シミュレーション
物件の広さごとに、バーの内装費用の総額目安を以下の表にまとめました。
| 坪数 | スケルトン物件(30〜60万円/坪) | 居抜き物件(15〜30万円/坪) |
|---|---|---|
| 10坪 | 300〜600万円程度 | 150〜300万円程度 |
| 15坪 | 450〜900万円程度 | 225〜450万円程度 |
| 20坪 | 600〜1,200万円程度 | 300〜600万円程度 |
| 30坪 | 900〜1,800万円程度 | 450〜900万円程度 |
坪数が小さいほど1坪あたりの単価は高くなる傾向にあります。10坪未満のバーの場合、設備を凝縮して配置する必要があるため、坪単価が上振れしやすい点に注意しましょう。
バーの業態別にみる内装費用の違い

ひと口にバーといっても、オーセンティックバーからスタンディングバーまで業態はさまざまです。業態ごとに求められる内装レベルや設備が異なるため、坪単価にも大きな差が出ます。
オーセンティックバーは高級素材で高額
オーセンティックバーは、本格的なカクテルと重厚な雰囲気を楽しむ業態です。無垢材や御影石を使ったカウンター、レザー張りのソファ、こだわりの間接照明など、高品質な素材と設備が求められます。
そのため坪単価は50〜100万円になることも珍しくありません。六本木や銀座など高級エリアでは、内装の質がそのまま集客力に直結するため、予算の大部分を内装に投じるオーナーも多いです。
ショットバー・スタンディングバーは低コスト
ショットバーやスタンディングバーは、カウンター中心のシンプルな構成が特徴です。テーブル席やソファを最小限にし、立ち飲みスタイルを取り入れることで、什器や家具にかかる費用を抑えられます。
坪単価は30〜40万円程度が目安で、10坪未満の小規模店舗でも開業しやすい業態です。イスやテーブルの購入費が不要な分、照明や音楽設備にこだわって差別化する戦略も有効でしょう。
ダイニングバー・カフェバーは厨房費に注意
ダイニングバーやカフェバーは、フードメニューの充実が求められる業態です。本格的な調理を行うための厨房設備(ガスコンロ・オーブン・冷蔵庫など)が必要になるため、設備費が内装全体のコストを押し上げます。
坪単価は40〜60万円が相場です。厨房機器だけで数百万円かかるケースもあるため、事前に必要な設備をリストアップし、予算配分を計画しておくことが大切です。
アミューズメントバーは設備投資が必要
ダーツバーやスポーツバーなどのアミューズメントバーは、ゲーム機材や大型モニターなどの設備が必要です。ダーツやビリヤード台は業者が無料で設置してくれるケースもありますが、それらを配置するスペースの確保が前提となります。
坪数に余裕が必要な分、物件の家賃や内装の総額が膨らみやすい業態です。音響設備やモニターの設置工事も加わるため、坪単価は40〜70万円を見込んでおきましょう。
バーの内装工事費用の内訳を項目別に解説

見積書を受け取ったとき、各項目の意味と適正金額を把握しておけば、不要なコストを見抜けるようになります。ここでは主要な内訳項目と、それぞれの費用感を解説します。
デザイン・設計費の目安と注意点
デザイン・設計費は、コンセプトの具体化から図面作成、素材選定までを含む費用です。一般的に総工事費の5〜15%が目安とされています。
たとえば総工事費が800万円であれば、デザイン・設計費は40〜120万円程度です。設計と施工を同じ業者に一括依頼すると費用を抑えられるケースもあるため、依頼先の選び方で差が出る項目です。
造作工事費はカウンターが鍵を握る
造作工事費とは、壁・天井の仕上げや、カウンター・棚などの造り付け家具の製作にかかる費用です。バーの場合、カウンターの素材と仕様が造作工事費を左右する最大の要因になります。
集成材やメラミン化粧板を使えば比較的安く抑えられますが、無垢材や天然石を採用すると費用は数倍に跳ね上がることもあります。バックバーの棚やディスプレイ設計も、デザインへのこだわり次第で金額が大きく変動します。
電気・空調・給排水の設備工事費
設備工事費には、電気配線・照明器具の設置、空調機器の導入、給排水管の工事が含まれます。なかでも空調機器は高額なため、内装工事全体に占める割合が大きくなりがちです。
居抜き物件で前テナントの空調設備をそのまま利用できれば、この項目を大幅に削減できます。また、照明はバーの雰囲気を決定づける要素ですが、グレードを上げすぎると費用が膨らむため、予算とデザインのバランスを意識して選びましょう。
その他の工事費用(仮設・解体・廃棄物)
見積書にはメインの工事費以外にも、仮設工事費(養生や足場設置)、解体工事費、廃棄物処理費などの項目が記載されます。これらは総工事費の10〜20%を占めるケースがあります。
特にスケルトン物件では解体工事が不要な分、仮設工事費も抑えやすくなります。一方、居抜き物件では前テナントの設備撤去が発生する場合があるため、事前に確認しておきましょう。
バーの内装費用を左右する4つの要因

同じ坪数のバーでも、内装費用が数百万円変わることは珍しくありません。費用に差が出る主な要因を理解しておくと、見積もりの比較や予算管理がスムーズになります。
物件の状態で費用が2倍変わる
すでに解説したとおり、スケルトン物件と居抜き物件では坪単価に約2倍の差が生まれます。居抜き物件で前テナントの設備を活用できれば、初期費用を数百万円単位で圧縮することが可能です。
ただし、前テナントがバーやスナックだった物件は人気が高く、すぐに見つかるとは限りません。物件探しは早めに始め、内装業者にも相談しながら条件に合う物件を見極めましょう。
素材のグレードが総額を大きく動かす
バーの内装で費用差が出やすいのが、カウンターや壁面に使う建材のグレードです。たとえばカウンター天板ひとつを取っても、素材の選び方で数十万円の差が出ます。
| 素材 | 特徴 | コスト感 |
|---|---|---|
| 集成材・メラミン化粧板 | コスパが高く、色柄も豊富 | 安い |
| 突板(つきいた) | 天然木の風合いを手頃な価格で再現 | 中程度 |
| 無垢材 | 重厚感・経年変化の味わい | 高い |
| 天然石(御影石・大理石) | 圧倒的な高級感 | 非常に高い |
お客様の目に触れるエリアに予算を集中させ、バックヤードはシンプルに仕上げるのが、コストパフォーマンスを高める王道の戦略です。
デザインの複雑さと工期の関係
オリジナルデザインや特注家具を取り入れるほど、職人の作業時間が増え、工期が延びます。その結果、人件費が上昇し坪単価が高くなるという構造です。
開業日が決まっている場合は、急ぎの工事で追加費用が発生するリスクもあります。「こだわりたい部分」と「シンプルに仕上げる部分」を明確にし、デザインの優先順位を決めてから業者に依頼しましょう。
立地エリアで求められる内装レベルが変わる
都心の繁華街やビジネス街では、競合店との差別化のためにデザイン性の高い内装が求められ、結果的に費用が高くなります。逆に郊外や住宅街の立地では、地域密着のアットホームな内装で十分に集客が見込めるケースもあります。
出店予定エリアの競合店を実際に訪れて、内装のグレード感を肌で感じておくと、自店の内装に必要な投資額が見えてきます。
バーの内装費用を抑える6つの方法

内装の質を保ちながらコストを下げるには、いくつかの定石があります。居抜き物件の活用から補助金の利用まで、開業前に知っておきたい具体的な節約術を6つ紹介します。
居抜き物件を活用して設備費を圧縮する
バーの内装費用を最も効果的に抑える方法が、居抜き物件の活用です。前テナントがバーやスナックだった物件なら、カウンター・空調・厨房設備をそのまま使える可能性があり、初期費用を数百万円単位で削減できます。
ただし前テナントの雰囲気が強く残っている場合は、壁紙の張り替えや照明の変更など部分的な改装で新鮮さを演出することが重要です。居抜き物件は建築基準法や消防法の専門知識が必要なため、物件選びの段階から内装業者に相談するのがおすすめです。
複数社から相見積もりを取って比較する
内装工事業者は、得意分野や価格帯が業者ごとに異なります。最低3社以上から相見積もりを取ることで、工事費の相場感をつかみ、不当に高い見積もりを排除できます。
見積書を比較する際は、金額だけでなく以下の点もチェックしましょう。
- 見積書の内訳が細かく明示されているか
- バーやナイト業態の施工実績が豊富か
- 追加費用が発生した場合のルールが明確か
- アフターフォロー体制が整っているか
費用をかける箇所にメリハリをつける
お客様の目に入りやすい場所(カウンター・エントランス・バックバー)に予算を集中し、バックヤードやトイレなど目立たない場所はシンプルに仕上げるのが鉄則です。
たとえば、壁全体を高級な素材で仕上げる代わりに、アクセントウォールとして1面だけに特徴的な素材を使えば、費用を抑えつつ印象的な空間を演出できます。照明の工夫だけでも雰囲気は大きく変わるため、過度な装飾に頼らない発想が大切です。
什器・家具は中古品やリースを活用する
テーブル・椅子・グラス棚などの什器類は、中古品やリースを活用することで新品購入に比べて30〜50%のコストダウンが見込めます。
特にバーの場合、空調設備や冷蔵庫は中古でも品質に大きな差が出にくいため、積極的に検討する価値があります。ただし、カウンターやバーチェアなど、お客様が直接触れるものは新品を選ぶほうが衛生面でも安心です。
DIYできる箇所は自分で仕上げる
壁の塗装、棚の取り付け、インテリア小物の設置など、専門技術がなくても対応できる作業は自分で行うことで人件費を削減できます。
ただし、電気工事・給排水工事・ガス工事は資格が必要な法定作業のため、必ずプロに依頼してください。「どこをプロに任せ、どこを自分でやるか」の線引きが、費用と安全のバランスを取るカギになります。
補助金・助成金を活用する
自治体によっては、店舗の内装工事に対して補助金や助成金が利用できるケースがあります。代表的なものには以下のような制度があります。
- 小規模事業者持続化補助金:販路開拓のための内装改装費が対象になる場合がある
- 事業再構築補助金:新たな業態での開業・転換に対応する制度
- 各自治体の創業支援補助金:地域の新規開業を支援する制度
申請には事業計画書の作成が必要なケースが多いため、開業を決めた段階で早めに自治体の窓口や商工会議所に相談しましょう。
参考元:中小企業庁「小規模事業者持続化補助金について」「事業再構築補助金」
バーの内装費用に関するよくある質問

ここでは、バーの内装費用に関するよくある質問を紹介します。
Q
バーの内装費用の総額はいくらくらいですか?
A
20坪のバーの場合、スケルトン物件で600〜1,200万円、居抜き物件で300〜600万円が目安です。業態やデザインへのこだわり次第で変動します。
Q
バーの内装工事にかかる期間はどれくらいですか?
A
スケルトン物件の場合は1か月以上、居抜き物件の場合は1〜2週間が一般的です。デザインの複雑さや工事規模によって変わるため、事前に業者と工期を確認しましょう。
Q
10坪以下の小さなバーでも内装費用は高くなりますか?
A
坪数が小さいほど1坪あたりの単価は高くなりやすい傾向があります。ただし総額は抑えられるため、10坪未満のバーでも開業資金全体としては比較的少額で済むケースが多いです。
Q
バーの開業資金全体ではいくら必要ですか?
A
内装工事費を含めた開業資金の総額は、一般的に1,000〜1,500万円が目安です。物件取得費(保証金・礼金)、備品購入費、運転資金なども合わせて資金計画を立てましょう。
Q
バーの内装で特にお金をかけるべき場所はどこですか?
A
バーの「顔」となるカウンターとバックバー、そして雰囲気を決定づける照明の3点に優先して投資するのがおすすめです。この3つに予算を集中させ、その他はシンプルに仕上げるのが費用対効果の高い戦略です。
まとめ
バーの内装費用は、スケルトン物件で坪単価30〜60万円、居抜き物件で15〜30万円が相場です。20坪のバーであれば総額300〜1,200万円が目安となり、オーセンティックバーかショットバーかといった業態の違いや、使用する素材のグレード、出店エリアによって大きく変動します。
費用を抑えるには、居抜き物件の活用や相見積もりの取得、予算配分のメリハリに加え、補助金・助成金の活用も有効です。保健所・消防署への事前確認や動線設計も早めに済ませて、理想のバーづくりをスタートさせましょう。